「自分の子は可愛い」とみんなが自信を持って言えることが当たり前ではない環境は、当たり前におかしい。
自分の体の中から出てきた自分の分身、可愛くない訳が無い。
自分の子より、他人の子の方が可愛いわ〜って思っている人、います?
みんな、「自分の子が一番可愛い」のは当たり前ですよね。
当たり前の感情は、子/親のために肯定される環境が必要
「自分の子が一番可愛い」のは当たり前。
子供自身の自己肯定感を育てるためにも、「あなた(達)が一番可愛い/大切」と接してあげたいし、
親の頑張る気力のためにも「自分が一番大事、自分の子供が一番大事」という、当たり前の感情は、肯定されるべきだと思います。
全員が「自分の子が一番可愛い」と思っているんだから「お互い様」、そういう優しい環境が子育てには望まれます。
神親待ちの常態化
現実には、個性的な子の親は「うちの子可愛い」という自分の気持ちを、周囲から否定されたように感じてしまう経験がどうしても多くなってしまいます。
社会性の教育というものが始まる幼稚園あたりから、トラブルが増えてきます。
保育園/幼稚園/学校は、発達途上にある子供を教育する場所ですから、そもそもトラブルを経験するために存在しているので、然るべき状態なのだけど、そこで働く先生方は、トラブルは迅速に処理することが求められます。
現場はもうずっとキャパオーバーだし、ニューロダイバーシティに対応するスキルもリソースも不足しているし、
「うちの子が至らなくてごめんなさい」すぐにそう謝って、トラブルを丸くおさめてくれる保護者いないかな〜
という無邪気な神待ちが常態化してます。
先生が神待ちするのも無理からぬキャパ不足だし、かといってそれを保護者側に投げても、保護者だってキャパ不足なのよ。
結果的に「すぐ謝ってくれそうなできた(御し易い)お母さん」が、調整弁/皺寄せになりやすくなって、気遣いの負担がどんどん積み重なっていきます。
できた人ね〜
神親だね〜
そんな風に都合よく捉えて、その人の痛みに無自覚のまま、頼ってませんか?
みんな同じ人間なんだから、調整弁になっている親だって「自分の子が一番かわいい」って思ってます。当然です。
そこを、子供を守るために、愛の力で自分の気持ちを押し殺して、頭下げてるんですよ。
その人だって特別じゃない。あなたと同じ、ただの親。
親になったからって万能人間になる訳じゃない、普通の人間ですよ。
自分が同じことをする時どれだけのストレスがかかるだろうって、想像して欲しい。
神親の存在が必要な環境は、不健全
構造上、トラブル解決が神親頼みになってしまっているから、「自分の子が一番って思ってるバカ親、い〜けないんだ〜♪」みたいな謎の歪んだ空気がある。
その空気のせいで、みんな親として当たり前の素直で正直な気持ちを外に出せなくなってしまって、子供を守るために、なんらかの仮面をつけて戦わなくちゃいけない。
若い/気弱/政治力がない(群れてない)→弱者
ベテラン/気が強い/政治力あり(PTAや複数このネットワーク)→強者
大体そういう力関係を反映して、
弱者→神親
強者→戦略的モンスター(とまではいわなくとも「強面風」キャラ)
という仮面を被りがち。
被った上で消耗しがち。
なにこれ。誰得なの?
みんな、もうやめたくありません?
パワーゲームの犠牲者の孤独な葛藤
パワーゲームの犠牲者は、人知れず悩んでます。
今でも仲の良い幼稚園の時のママ友(上の定義でいくと弱者)が「神親強要」されて、
私がこんなにこの子を愛しているのは、おかしいんだろうかって思ってしまう?
そして、そう思ってしまうことに、(子どもに対して)罪悪感を感じてしまう?
って悲しそうに吐露したことがあって、今でも鮮明に覚えてます。
その子の家で、カルディで買った缶サワーを飲みながら、
子供を愛することが、おかしいわけがないじゃん!そんな葛藤背負わされる状況がおかしいんだよ!
って私が言ったら、その子は
「そう言ってくれる人がいてよかった。」
って笑った。横で遊ぶ子供達をお互いちらりと見て、
「私もヘトヘトだよ。誰か偉い人、影響力がある人が変えてくれればいいのにね・・・」
「そうだね・・・」
「檸檬堂って、結構アルコール強いね・・・」
そういう会話をした。子供を支える親も、また支えが必要なんだ。
必要な子育て支援は、即物的なものだけじゃない。情緒的(環境)も、ものすごく必要。
「子供は国の宝」スローガンで、育児休業制度、出産給付金、子育て支援の給付金などの即物的な支援を拡充していくのは、とても大事なことだと思う。
でも、自分が若者だったとして、周りを見渡せば
- 親になった人達が消耗して疲れている
- 常に見えない何かからの防衛モードで気が抜けなさそう。病む人も結構多いらしいね。
- 子育てしながら、夫婦仲維持するの大変そう。あそこの夫婦、離婚したんだって。
そんな状況を見て、「ママになりたいな〜」「子供を育てたいな〜」って思う意欲がわくと思います?
なんか、怖い・・・?
そう思っちゃって当然ですよ。
こんな状況じゃ出生率なんて上がる訳がないよ。
核家族化が進んで、保護者の肩にのしかかる責任感はどんどん大きくなっています。
「自分が見てられなかった瞬間でも、パートナー/おじいちゃん/おばあちゃんのいくつもの目があるから大丈夫」という気持ちの余裕を持てる人は、絶対的に少ない。
「私のこの2つの目玉が、子供の唯一の生命線/愛情の供給源」
24時間その緊張感と共に過ごす脳疲労、並大抵じゃないですよ。
そのプレッシャーから解放される時間を作ってあげる情緒的支援(ずばり、ハンズオンで自宅で人が手助けしてくれるサービス)がもっともっと必要だと思います。
保護者のキャパは、子供の健全な育成の命綱。
だから、休養してキャパを回復をするための情緒的支援(ずばり、自宅でハンズオンで子育てを手伝ってくれる人/サービス)が、手の届く形で、もっともっと必要だと思います。
国/誰かがやってくれるまで、待っていられないよ。待ってたら倒れちゃうかもしれないもの。
自分で探そう、ゲットしよう。
興味がある人は、「パーティを組もう」を読んでみてくださいね。
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