- オンラインゲーム依存とは何か?の説明
- オンラインゲームで得られる快感の内容
- 依存の怖さ
- オンラインゲーム依存で得られる快感を、何か別のものに置き換えられないか?という視点で考えるきっかけ
Twitterで
『オンラインゲーム依存は、病気であるなしに関わらず、そこから得ている快感は何なのか、それを置き換えられるものは何なのか』を考えるべきだという医師の方のご意見をみて
「たしかに」
と思い、息子にインタビューした内容を記事にしました。
あくまで、当事者の親としての私見です。
医療関係者ではないので、専門知識については「国立/県立/市立病院やクリニックが提供している情報」を参考にしてください。
オンラインゲーム依存に関する報道
依存状態にある中高生は増加の一途:100万人近い
WHOが「ゲーム障害」を病気に認定した→世界中で増えているイメージ
日本では(5年前の調査で)93万人
- 2019年5月にWHO(世界保健機関)が、「ゲーム障害」を新たな依存症として認定
- 国際疾病分類第 11 版(ICD-11)に「インターネット・ゲ一ム障害ゲーム障害」を入れることが正式承認された
- 2013 年には厚生労働省の公募研究班が「ネット依存」が疑われる「病的な使用」を している中高生は51万8千人と発表
- 2018年9月の報道では93万人に増えている(「東京新聞」2018 年 9 月 1 日付ほか)。
ゲーム障害の基準
ゲ一ム障害とは
① ゲームに関する行動(頻度、開始・終了時間、内容などが、コントロールできない。
② ゲーム優先の生活となり、それ以外の楽しみや日常行う責任のあることに使う時間が減る
③ ゲームにより個人、家族、社会、教育、職業やそのほかの重要な機能分野において著しい問題を引き起こしているにもかかわらずゲームがやめられない
④上記が12ヶ月以上続いている状態
1日4〜5時間を超えると注意ランプ点滅らしい(T▽T)
オンラインゲームって何なの?何がそんなに面白いの?
息子がやっているのはVALORANT(ヴァロラント)というFPSゲーム
息子がやっているのはVALORANT(ヴァロラント)という4人対戦型のFPSゲームです。
First Person Shooter:ファーストパーソンシューターの略で、ゲーム画面が1人称視点のバトルゲームということです。
画面に映る自分の体は手くらいで、実際の世界を見ている視点に近いので、リアリティを感じやすく、のめりこみやすい作りになっています。
VALORANTは、毎回4人チームがランダムに組まれて、「はじめまして」から協力し合って、相手チームを倒すゲームです。
子供が語るオンラインゲームの魅力
私も、ドラクエやゼルダの伝説はハマったけれど、オンラインゲームというものは世代的になかったし、
一度試してみた『Among Us』という人狼のようなゲームも、覚えなきゃいけないことが多い上に「勝っても別に・・・」って感じで、ハマることはなかった。
正直なところ、何がそんなに面白いのかわからないから、教えてちょうだい!
逆にどこが面白くないのかが、わからないね
①毎回ゼロスタートの人間関係の公平さ
毎回4人チームがランダムに組まれて、「はじめまして」から協力し合うので、コミュニケーション能力が必要。みな基本的にはポジティブな姿勢で協力していこうとする文化。
どんなに強いやつも、偉いやつも、イケボでモテそうなやつも、モテない俺も、1対戦の中では平等。この試合にどれだけ貢献できるか?がすべて。
②嫌なやつには、攻撃していいし、1試合しか関わらなくていい
たまに嫌なやつとあっても、1試合我慢すれば消えるし、嫌なことをやられたらやり返していいというフェアな空気がある。
嫌なことをするというのは、同じチームになったのに、あえて一切動かないでチームを負けさせるという行為に及んで、チームメンバーが困って嫌がる様を見ることを楽しむガキ。
そういうやつは、「お前もてないだろ」っていうと撃沈する
相手の姿も見えないし、女の子もそこにはいないゲームの世界なのに、モテるかモテないかが重要なの?(笑)
当たり前でしょ!それ以外に重要なことってある?
③勝利の優越感
相手チームに勝った時の「ヒャッホー」感。お前らより俺たちの方が上なのだという優越感では、脳汁が出ている。
④報酬性
勝つとランクがアップして、称号がもらえ、マッチングされる相手が強くなっていくので、達成感がある。
⑤スピーディな試行錯誤感
試合がスタートした時点で、相手の武器やキャラの組み合わせから瞬時に作戦を考える。瞬間的に阿吽の呼吸で、初対面のメンバーと作戦を合わせていく緊張感と、うまく連携できて結果が出た時の快感がたまらない。
人を信じるのはとても危険なこと。
実際には知らない人なのに、動画を毎日見ているというだけで、Youtuberを親のように思ってしまい、洗脳されてスパチャ破産する人とか、迷惑行為に走る人とか、狂ってなんかの病気になってストーカーする人とか、ガーシーに投票する人とかを沢山見てきた。
人を信じるということをしだすと、洗脳が始まる。
洗脳はされている方は気づかないから怖いし、1人の人間のすべてを信じるなんて恐ろしくて病気としか思えない。
だから、FPSゲーマーは、仕組みを信じているんだ。
同じ目的で同じ時間に同じ場所にいる人を、「ゲーム仲間」という範囲内で信用するという境界線が決まっている。
FPSゲーマーは、「同じ目的で同じ時間に同じ場所にいる人を、その範囲で信用する」という仕組みを信じているんだ。
FPSゲーマーは、「同じ目的で同じ時間に同じ場所にいる人を、その範囲で信用する」という仕組みを信じている。
相手が現実世界でやばいやつでも自分には関係ないことだから、考えなくていい。
現実世界は、境界線がないから、ややこしいし面倒くさい。
なんとなく『茶の湯』の世界に通じるというか(きれいに言い過ぎかもしれないですが?)。
茶道は戦国時代に流行しましたが、繊細な子にとっては現代社会が戦国時代のように気が抜けないものなのかもしれないな、だから区切られた時間/空間という概念を癒しに感じるんだなって思いました。
SNSも同じかもしれません。私はまだSNSがよくわかっていなくて迷走しているのだけど、『このトピックのこの面だけ』という区切りが重要であることがわかってきましたので、同じようなカルチャーなのかもしれないと思っています。
これからの依存の話をしよう
ゲーマーの価値観がわかったところで、今現在困っているゲーム依存について、どう解決していけるかを話し合いました。
依存とは何か
「何を持って依存とするのか」「どこから先が依存なのか」は、線引きがあいまいです。
「依存」というのは脳内の快感を感じる報酬回路が作られる
=「これをやると気持ちいい〜」という感覚に慣れてきて、その快感を求めた行動をしてしまうことを『依存』というんだよ
倒くさいし気分が上がらない
依存の怖さは、本人の感覚と周りの感覚が違うこと。自覚していないうちに急速に進行している。
人を傷つけなければいいというけれど、依存が怖いのは、自分ではやばさになかなか気がつけないこと。
「人を傷つけるという一線を超えたらやばいけれど、まだ自分は大丈夫」という感覚を自分は持っていたとしても、周りはいっぱいいっぱいでもう限界になっている可能性がある。
周りの人が笑顔ではなくなって、自分から人(お金を払っている人ではない家族など)が離れていっていたら依存レベルはもう高いところまで行っている。
それでも本人は気づけないし、止められない。そういう怖さがあるのが依存。
幸い(?)アルコール依存の人を身近で見たという共通経験を私たち親子は持っているので、「あぁ〜、、そうだね。」とすんなり納得していた。
私達親子はどうするべきか?
私達の目下の争いは、無線LAN時間制限戦争。
私は、ルーターの時間制限を夜10時半〜朝6時は切れるように設定していたけれども、息子がMACアドレスを不規則に量産するというハッキング技(?)を行い、時間制限が無意味になった?
なお、Microsoftアカウントのペアレントコントロールは、『工場出荷時に戻す』という動作で外された?
イタチゴッコになったため、今は、『10時半にルーターの電源を抜く』という形で対応している?
今のこの不毛な無線LAN戦争は何?
朝6時から夜10時半までネットが通じている時点で甘すぎる状況なのに、それですらこんな戦争に自分でコントロールできなくなっている証拠。
自分ではレベル1のつもりかもしれないけれども、私の体感はレベル3自分の睡眠8時間とってどういうリズムで暮らしたいのか考えてください。
わかった。夜10時半に切って寝るというのは合意しよう。
「勉強する」という新たなことをするならば、その報酬がないとやる気にならない。勉強したら時間無制限にしてほしい。
無制限は無理。10時半は動かせない。元々が長すぎるから、これ以上増やしたら、大人でも普通に生活できない。
私は11時に寝たいので、「無線LAN切りますよ」と言いに行って切るなんて面倒臭いことができるのは10時半までです。
だったら、伸ばす報酬が出せるようにはじめの設定を短くしてればよかったじゃないか!
ファ〜〜〜(どうやら自分が荒れ狂って今の状況に至っている経緯は記憶喪失らしい・・・)
よく言った!!素晴らしい!そうしよう
『そんなこと言ってない』はなしね?明日からで!
もしかしたら、イライラして怒るかもしれないけど、その時はその時で(モゴモゴ)
とりあえずこのようなルール設定になり、様子を見ております。
オンラインゲームに置き換えられるものは何か?
依存の対策は、「得られる快感」のピースを分けて、それを別の方法で置換できないか考えるというのは、建設的なアプローチだと思います。
オンラインゲームで得られる快感のおさらい
- 毎回ゼロスタートの人間関係の公平さ
毎回4人チームがランダムに組まれて、「はじめまして」から協力し合うので、コミュニケーション能力が必要。どんなにやつも1対戦の中では平等。この試合にどれだけ貢献できるか?がすべて - 嫌なやつには、攻撃していいし、1試合しか関わらなくていい
たまに嫌なやつとあっても、1試合我慢すれば消えるし、嫌なことをやられたらやり返していいというフェアな空気がある。 - 勝利の優越感
勝った時、お前らより俺たちの方が上なのだという優越感で、脳汁が出ている。 - 報酬性
勝つとランクがアップして、称号がもらえ、マッチングされる相手が強くなっていくので、達成感がある。 - スピーディな試行錯誤感
短期株式投資はオンラインゲームにとても似ているのでは?
④と⑤については、株式の短期トレードで得られる快感ととても似ていると思う。
いっそのこと、株式取引をしたら? 取引スキルが上がれば、実益があるし。私は飽き性であまり集中力がないから向いていないけど、あなたは向いていると思う。
もしやりたいなら、最低限の勉強をしたら、種銭貸してあげてもいいよ。
株式への興味は、社会のいろいろなことへの興味につながるから、現物取引でリスクを限定すれば、いい勉強の素材になるかな〜と思ったのだけど、
株式投資は長期だから意味があるんでしょ(☜教育効果w)
僕にギャンブルをしろと言うの?
それに、僕は、競争が好きだから、目の前に目に見える敵がいないともえない。たくさん敵がいすぎて存在感がわからないようなゲームはクソゲー。
それに、投資の世界はFPSゲームの仕組みほどフェアでもない。
そうか。。確かに?
置き換えられるものは、それぞれの要素に分けて過ごしずつ補うものを見つけていけば良いのかもしれないね。
『こ!これだ!」という置換は見つからないけれど、話し合うことにセラピー効果があると思います。
こんな感じの会話をして、いろいろと考えてみたけれど、今のところ『こ!これだ!』みたいなものは見つかりません。
そうそう簡単に置き換えれるものがないから、病的な依存症の対象はいくつかのものに限定されている現状があるわけなので、「こ!これだ!』みたいな置換えるものは、基本的にはないのだと思います。
ただ、それぞれの要素ごとに、似たような感情を喚起するような経験をさせてあげるということは、症状の緩和につながるような気がしますし、
何かはわからないけれど、意見交換をして模索していくこと自体に、(短期的な効果にせよ)とても大きなセラピー効果があると思いました。
思春期のゲーム依存にお悩みの方に、何かしらのヒントになれば嬉しいです。
うちも模索中なので、何か良いアイデアを思いつかれたら、ぜひ教えてください❗️