親のサバイバル

【大丈夫!】不登校になったら親がやること【落ち着こう!】

夏休みが明けて、『学校に行きたくない!』とごねられて、困っていませんか?

不登校は、GW明けと長期休み明けがトレンドシーズンです。困っている方、たくさんいます!あなただけではありません。

大丈夫!落ち着いて対処してこう!

我が家も不登校になって1年経過、現在回復期にありますが、当初は下記のことを知らずに、当初のアプローチに失敗したと思っています(後述します)。

正確には、『待つしかない』は言われましたが、

  • なぜ待つしかないのか?
  • 待つ一辺倒を信じた結果が今の8050問題じゃないんですか
  • 待てって責任放棄じゃないですか?

という私からしたら親として至極自然な疑問に対する答えが誰からももらなかったので、納得できませんでした。

そして『待つのが大事だとプロも言ってる』と(元)夫は帰宅せずに飲み歩く生活を正当化して、ますます父子接触がなくなり、『こんなんで解決する訳がない』と思いました。

でも、一巡して今もう一度不登校当初からやり直すとしたら『待つしかない』と言います。

『なぜ待つしかないのか?』説明されないと納得できない親御さんも多いと思うので、私個人の経験からの個人的意見をお伝えしたいと思います。

今もう一度不登校当初からやり直せるならば、これを知っておきたかった!

不登校親がまず知るべきこと
  • 不登校児の心理バイオリズムには、段階がある
  • 段階を無視したアプローチは逆効果で、かえって状況を悪化させたり長引かせたりする。
  • ステージごとの親の構えがある

子供の回復ステップ

不登校になった子どもの心理は、おおむね、このような回復ステージをたどります(東京都の不登校・中途退学対策検討委員会 報告書

東京都:不登校・中途退学対策検討委員会 報告書 ~ 一人一人の児童・生徒の育ちを学校・社会で支え、そして自立へ ~(平成 28 年 2 月

私の実体験でも、おおよそこの流れでしたし、この道のりには納得感があります。

不登校当初は私も認めづらかったけれど、振り返れば真実という重要な認識の一つが

このサイクルを一周するには時間がかかる(早くて半年、大体年単位)

ということです。

不登校支援を模索して多くの人に出会ってきました。

息子が今お世話になっているプロ友もメンタルフレンドも、不登校経験のある現大学生ですが、両方とも不登校(引きこもり)期間は3年でした。
くぐり抜けてきた子の実感としては、3年1セットのような感覚があるそうです。

紆余曲折を経た今の私の感覚は『3年はあり得るかもね。それより前に回復できたらその方がいいけど、短ければいいっていうものでもないな。』という感じです。

「私が頑張れば早く回復できるはず」そう思って動いてしまったけれど、実際には、混乱期/低迷期に親が余計なことをすればするほど、混乱期を抜けるのが難しくなります。

親が長期戦を覚悟することが、結果的に、短期で解決する可能性が最も高い親の構えだと思います。

子どものステージ別に親がやるべきこと

東京都の報告書にある道のりのチャートに、親のやるべきことを入れた図がこちらです。

ステージ1・2の混乱期・低迷期に、ステージ3の対応をすると、逆効果になります(実体験)

引くべき時にはちゃんと引くのが、賢明な戦略です。

親の構え:はじめから討とうとしないことが大事!

不登校親の構えを3段階別に説明しました。

弓道で弓を引く姿勢をイメージしてください。初めから討つと逆効果なので、『待つ・狙う』という時に、いかに無駄な動きをしないかが、とても大事です。

① 混乱期:子供は動かさない(親だけ動く)

『待つ』とはどういうことか

混乱期低迷期中期まで、子どもは文字通り混乱しています。

すでにテーブルの上にあるものだけで、キャパオーバーになって処理できずに動けなくなっているのに、さらに『支援を受け入れる』というタスクを追加しても、受け取れません。すると

親が色々動いているのに、それをちゃんと受け取れない

期待に応えられない・・・(涙)

余計に自己肯定感を下げてしまいます

だから、この段階では『待つ』ことが必要です。待つというのは、元夫の解釈のような「放っておいて自分は遊びまわる」ではありません(当たり前だけど)

待つ=余計なことをせずに、ただそばにいること、です。

そばにいる間に、子ども本人がじっくりと心の中を整理して、自分なりのスピードで納得感を積み重ねていっています。

何もしていないように見えてもこの内省の時間は、とても忙しく考えています。ちょっかいを出さずに、見守ってあげることが早道です。

特に何かをするわけでも、何かを促すわけでもなく、『ただいる』という余白の時間を持つことを、『待つ』といいます。

このコンセプトがどうしても理解できない、そもそも理解しようとしていない(何らかの要因でそういう姿勢になっている)パートナーがかき乱してきて困るケースもよく聞きますね。うちもそうでした。

理解したがっていない/話合いのできない人を、説得して理解させるのはほぼ無理だと思います。

私の場合、なぜこんなに話が通じないのかわからなかったけど、時間がまさかの真実を教えてくれました。

『私がもっと早く気づいて諦めていれば息子へのダメージは防げたはずだ』それは私の心にずっとある後悔と罪悪感です。

多分一生消えずに墓場まで持っていく傷だし、だからこそ息子が自分で幸せを掴むために私にできることは全てしてあげたいと思っています。

さっさと諦めて期待しないことも有用だと思います。

この段階で最重要なのは、親自身が支援を受けてキャパを確保すること

不登校に至るまでの心労は、子どもだけにかかっているのではありませんから、親もキャパが溢れそうになっているはずです。私はそうでした。。。

まずは親が回復してキャパに余裕をもたせないと、子どもを回復させるのは難しいです。

第1ステージ(混乱期)は、まず自分のキャパ確保に集中することが賢明です。

頑張る親の脳内キャパシティ例

頑張る親の脳内キャパシティの例を図示してみました。

パイチャートの割合や項目は人によって異なりますが、ご自分のストレッサーになっているものが何か?を、スマホを閉じて書き出してみてください(もしできる状態であれば)

  • 赤字タスク(収入確保、子どもの社会適応サポート、子どもの体調管理)は、親にしかできない仕事なので削れませんが
  • 一方、パートナーストレス、家事・雑事は、外出し/対策/外注できます。
  • 削れるところを削って、重要タスク(自分の体調/キャパ管理、子どものエクストラサポート、傾聴・受容)を入れることが大事です!

『自分はまだいける!気合いだ!気合いだ!』と思っていらっしゃる方(私もそうでした( ; ; ))、まず子どもがSOSをあげている時点で、自分のキャパは溢れそうになっているということを自覚してください。

人間無敵ではありませんし、気力は無限には出てきません。

私みたいに倒れてしまう前に、『もしかしたらいっぱいっぱいかもしれない』と思って、削れる部分を外注/外出し/改善する行動を1つ取ってみると、『あ、私いっぱいいっぱいだったんだ』と気づくこともあるかもしれません。

パートナーによって、総キャパ量が大幅に変わるのが、ND育児です。

互いに尊重し合い、価値観を認め合えれば、互いのキャパを拡張し合うことができます!(うちは残念ながら違いましたが^^;)

どうか幸せ上手なご家庭が増えますように。

キャパを空ければ、大事なものが入れられます。

支援や相談に行って『こうしてあげるといいですよ』と対応策を教えられても、キャパオーバーしてたら、それを実行できませんよね。

実行できない分析/アドバイス(=タスクの追加)は、ストレスの追加にしかなりません(私見)

なんで言われた通りにできないんだろう・・・と悩んでしまう気持ち、とてもわかります。私もそうだったから( T_T)

でも今振り返れば「あの時できたわけない。完全にキャパオーバーだったじゃん!」と思います。人間キャパに余裕が出てくれば冷静になれるものだし、有用な意見も取り入れられるようになります。

もし今悩んでいる方がいらしたら、『キャパオーバーなんだから当たり前!誰でもキャパに限界はある!あなたのせいじゃない!』と言って差し上げたい❗️

今あなたに必要なのは、これ以上の頑張りじゃないです。もう限界まで頑張っていますよね?( ᵒ̴̶̷̥́ ·̫ ᵒ̴̶̷̣̥̀ ) 今あなたに必要なのは人に頼ることです

キャパの空け方

人それぞれに置かれている環境が違うので、これをすれば絶対!というものはありませんが、キャパを空けてくれるのは結局『人』です。

  • 家庭内に直接入ってくれる人(アウトリーチ)
  • 物理的にやるべきこと(手を動かす仕事)を代行してくれる人
  • 自分の話を傾聴してくれる(価値観が合う)人

こういう人を探して、チームを組成していってください。人を雇うことになるので、お金がかかってしまいますが、市区町村に相談するのが一番低コストです。

我のキャパアップに貢献したことランキング❣️

  1. 別居 ☜(実は一番大きいw 参考にならなくてごめんなさいw)
  2. シルバー人材センターのおばあちゃん(家事手伝い&話し相手)
  3. 息子のプロ友(大学生)

近いうちに、キャパを空ける支援先の記事を書きますね。

子の将来の支援候補先を無理のない範囲で探していく

通級指導教室、放課後デイサービス、フリースクール、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、メンタルフレンド事業、個別指導塾等、今後の選択肢に入りそうな支援先と少しずつ繋がっていきます。

まだ子供は支援を受け取れる状態ではないので、ここでは親が繋がっておくだけです。

東京都の支援ネットワーク

都の支援体制はこのような建て付けになっています。

まずこの支援の大枠を見て、それぞれ繋がっていくと『うちはこういう体制がいいかな』といった方向性が見えてきます?

東京都の不登校対策のページも参考になります。

東京都:不登校・中途退学対策検討委員会 報告書 ~ 一人一人の児童・生徒の育ちを学校・社会で支え、そして自立へ ~(平成 28 年 2 月

まずは、教育相談センターが相談窓口

私は当初は知らなかったので、相談していないのですが、東京都には教育相談センターと言う相談窓口があります。

もし当時知っていたら、ここにまず相談したと思います。電話で相談できるので、ありがたいですね!

第1、第2ステージは親の支援優先

不登校当初『親のすべきこと』とか言われると、第3ステージ(回復期)にやること、つまりいろんな支援機関と繋がって次々試していくことをイメージしませんか? 私はそうでした。

コンサル商売は不安商法も横行している世界なので、そういうアプローチで書かれている情報が多いし、不安な心持ちの中焦って調べて目に付くものはそっち方面のものになりがちです。

私も実際、コンサル2件頼んだことありますし☜
たくさんフリースクール回りましたし☜

リアル不登校親(2年目)の私の感覚からしますと、第1・2ステージに、コンサル/フリースクールはいりません(キッパリ)

第1・2ステージは、いかに親が『そういうもん』と構えて、不動の心でいられるかこそが肝です。ただ、未知の世界に入って憔悴している親にとって『不動の心』はとても難しく、何かしら具体的に動いている方がよっぽど楽ですよね。

なので、『不動の心』でいるためのカウンセリング(スクールカウンセラー、教育相談室)や物理的なキャパアップ(ヨシケイ、家事代行サービス、シルバー人材センター)などの『親の支援』が効く時期です。

②低迷期後期〜:子どもの気分優先で家の中で動き始める

第2ステージへ移行したかどうかの見分け方

私はプロではないし、あくまで息子のケースですので、参考までにですが

低迷期初期

無気力で『生きている意味がない』みたいなことを言う無気力で

  • 無気力で、ほとんど動かない
  • 人と接触したくないし、朝も夜も寝てる
低迷期初期
  • 『世の中腐ってる!敵ばっかだ!』
  • 『僕が悪いんじゃない!パパ/ママ/両方が悪いんだ!』
  • 『どうでもいい』『どうせ無駄』
  • ネガティブ発言が多く、たまに癇癪あり

↑ここまでが第1ステージ。

↓ここから第2ステージ

低迷期後期
  • 自分の意見を話し始める
  • 自分の好きなこと(うちの場合は主にゲームやアニメ)の話を聞いて欲しがる
  • やったこと(料理とか)を見て欲しがる
  • 私の意見を聞きたがる
  • たまに外に出たり、週半分は調子良さそうだけど、半分部屋に閉じこもりきりだったり調子が悪そう(まだ安定していない)
  • UPの日/DOWNの日の割合が、半々〜2:1くらい

プロの見立て方があるなら伺いたいところです。親の直感は結構当たってると思うので、もし移行したなと思われている方がいたら、移行してると思います、

子どもの気分に合わせて

この段階はまだ不安定なので、子どもの気分に合わせて対応していく必要があります。

『一山超えた〜』という喜びで、前のめりにやりすぎると低迷期中期に戻ったりします(経験済み)

初めからベスト対応なんてなかなかできませんから、行きつ戻りつで、『なんとなく』が大事な気がします?

UPの日:エッセンシャル教育や、子どもがやりたいことを一緒にする
DOWNの日:低迷期初期〜中期と同じく、子が求めてこない限り『待ち』態勢

学校や支援先に、子の状況を伝える

そろそろ動き出せるなと思ったら、全体感を持って進められるように、根回しの情報共有が大切です。

いきなり子どもが現れても、現在の状況とか方向性が共有できていないと、支援者もどういうアプローチがいいのかわからないので、積極的に関わっていいものかどうかもわからず、なんとなくなおざりというか、おそるおそる置きに行く対応しかできなくなってしまう可能性があります。

子どもが動くというせっかくのチャンスを無駄にしたらもったいない!できるだけ、スムーズにソフトランディングできる確率を上げていきたいですよね?

謙虚にお願いして状況を伝えて『こういう方針で動いてて、今こういう状況です。急に動き出すかもしれませんが、もしそうなったら、こういう方向性でお願いします!』と説明しておく根回しが大事だと思います。

③回復期:子に対する第三者支援スタート

子どもが支援を受け取れる状況になってきたら、相性の合うものが見つかるまで、少しずつ試す

第1ステージで調べたり、繋がっていた支援先と相談し、頃合いを見計らって、子供への介入をスタートさせます。

支援は1:1の人間関係なので、相性が多分にあってリソースも限られているので、総量だけ多すぎにならないように注意して、少しずつ試していって、なんとなくいい方向に持っていくという形になります。

東京都:不登校・中途退学対策検討委員会 報告書 ~ 一人一人の児童・生徒の育ちを学校・社会で支え、そして自立へ ~(平成 28 年 2 月

ここまでくると親も「まぁなるようになるか」みたいな気持ちになっている

これは個人差が大きいかもしれないのですが、ここまでくる過程(禅修行みたいな感じ)で、『学校か〜、行くなら行くで嬉しいし、行かないなら行かないで別にいいかな』みたいな心持ちになってしまっている自分がいます。

達観したお母さん(お子さんが学校に戻った方も、別の道を模索した方も)は、同じような境地にいらっしゃる方がたくさんいらして、『そうだよね〜!わかるわかる!』と思ったりしています。

この先のことは、まだ見てないのでわかりませんが、私の個人的経験が誰かの参考になればと思ってるので、無理のないペースで(お金稼ぐ仕事もしなきゃいけないので? 笑)は記述していきたいと思ってます?

今焦っている方へ:KPIを無視する力を育てる(成田教授の教育指針)

私が不登校当初に偶然みて『その通りだわ!』と癒された、成田教授の教育観についての記事です。

ニューロダイバーシティ親サバイバルの心得

ニューロダイバーシティ親のサバイバルに必要な心得、私の知っている範囲で全て書き綴っていきたいと思っています。

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